この事例の依頼主
70代 男性
相談前の状況
被相続人(亡くなった方)のいとこ2名からの相談。被相続人は、妻も子どももおらず、遺言書をかかないまま、預貯金と不動産を残して、亡くなった。相談者は、被相続人と幼少期、同じ家で暮らしていたし、成人してからも懇意な関係にあった。
解決への流れ
①相続人がいないので、家庭裁判所に相続財産管理人を選任するように申し立てた。②家庭裁判所に「相談者らは特別縁故者であるから財産を分与せよ」との申し立てをした。(①、②は、特別縁故者の案件では、通常の流れです。)②の申し立てには、相続財産管理人(弁護士)が、相当と認める分与額を意見し、裁判所はこの意見の通り決定する場合が殆どです。今回の事案では、相続財産管理人(弁護士)の意見した額が少なかった(二人で数百万円)ので、「相続財産管理人(弁護士)の意見が間違っていること」を詳細に記した意見書を家庭裁判所に提出しました。このような活動が奏功し、最終的に、裁判所からは相続財産管理人(弁護士)の意見の2倍以上(二人で一千数百万円)を認めてもらうことができました。
相続財産管理人(弁護士)は、被相続人と依頼者さんとの関係を「単なるいとこ」と見たようです。しかし、両者の関係をよく見れば、「単なるいとこ以上」であったことは明らかで、そこを裁判官に理解してもらえるように努力しました。「決定書」を読んだときは、本当に嬉しかったです。