この事例の依頼主
60代 男性
相談前の状況
ご相談者であるAさんは,他の共同相続人のBさんからご親族が亡くなられたことを聞き,遺産分割の提案を受けていました。遺産の内容を見ると不動産と預貯金があり,不動産が固定資産税評価額にして約600万円程度あり,預貯金は約4400万円ありました。Aさんは,一度は,Bさんの提案する遺産分割の内容でかまわないと感じ,既に,委任状や印鑑登録証明書など重要な書類をBさんに交付していました。しかし,今となって,Bさんに遺産分割案に疑問を持ち,預貯金のみをある程度まとまった形で欲しいと考え,当事務所に相談に来ました。
解決への流れ
Aさんから話を聞き直ちに受任,直後に被相続人の口座のある銀行に架電し,同銀行の担当者に対して,Bさんという方がAさんの委任状と印鑑登録証明書などの書類を持ってきても,Aさんの意思を反映したものではないため,絶対に預金を動かさないよう指示。Aさんは,既に高齢で,遠くある不動産を取得しても意味がないため,全額を預金で渡すようにBさんと交渉し,その結果約1カ月後に預金約2500万円を取得。
この事件が初動が非常に重要でした。AさんからBさんに既に重要な書類が交付されていたため,早急に対応しなければ,預金がBさんの手元に移され,紛争が長期化する可能性があったからです。なお,Aさんとの契約は,着手金0円で,完全報酬制で対応させて頂きました。