この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
相談者の父親が亡くなり、住んでいた家(土地・建物)の処分をしようとしたが、土地名義に祖父の持分(1/3)が残ったままとなっており、祖父の土地の持分について、父親の兄弟姉妹(5人)との遺産分割協議が必要となったが、その住所や連絡先がわからない、どうすればいいかわからないということで、弊所にご依頼いただいた。
解決への流れ
まずは、相続人の調査を行ったところ、兄弟姉妹は全員亡くなっていることが判明したため、さらにその相続人の調査を行い、相続人全員(10人)の住所が判明した。そこで、その相続人全員に、亡き祖父名義の不動産について、遺産分割協議が必要であることと、一人一人の得られる額が少ないこともあり、依頼者への相続分の譲渡(自身の相続の権利を他の相続人に渡す行為)を希望する旨の手紙を送付した。このうち、特にお金はいらないが関わりたくないので相続分の譲渡はしたくないとの意向があり、かつ、相続放棄が可能な状況だった方には、相続放棄の手続きを案内し、相続放棄をしていただいた。また、他の相続人も、依頼者への相続分譲渡に納得してくれたが、1名のみが、意向を明確にしてくれない方がおり、時間が経過していった。そこで、家庭裁判所に、この相続人のみを相手方とした遺産分割調停を申立て、調停でも意向を明確にしなかったことから、最終的には、依頼者が、祖父の持分を全て取得するとの審判が出たことで、依頼者が、土地の持分を全て取得することができ、無事、不動産を売却することができた。
相続人が多数になる遺産分割では、相続人調査だけでも多大な労力が必要で、多数の相続人と協議もしなければなりませんし、多くの場合で、相続分譲渡や相続放棄、遺産分割調停などの様々な手続きが必要になると考えられます。さらに、遺産に不動産がある場合は、不動産業者、税理士、司法書士などの専門家の関与も必須となりますが、ご自身でこれらの信頼できる専門家を探すことも大変な労力を伴います。弊所では、信頼できるこれらの専門家と連携を行っており、ワンストップで遺産分割に対応できますので、このようなお手間を一挙に解消することができます。どうすればいいかわからない、手続きが大変、話し合いが行き詰ったなど、お困りでしたら、ぜひ一度ご相談下さい。