犯罪・刑事事件の解決事例
#婚姻費用 . #財産分与

婚姻費用の支払いを単純に請求されたケースではなく、離婚後、財産分与の請求を受ける中で、過去の婚姻費用の請求を求められたケース

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家本 誠 弁護士が解決
所属事務所藤枝やいづ合同法律事務所
所在地静岡県 藤枝市

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

御依頼された方は、裁判で相手方と離婚をすることになりました。離婚後、相手方から離婚成立までの別居期間中(約5年間)に全く婚姻費用の支払いを受けていないので、その婚姻費用を支払うように財産分与の調停事件の中で請求を受けました。その請求を受けた婚姻費用の額は、総額で500万円程度です。依頼された方としては、そもそも自分は、元妻から別居期間中、全く婚姻費用の請求を受けていませんでした。また裁判で離婚が認められるまで、その調停及び裁判期間中も相手方からは具体的に婚姻費用の請求はありませんでした。離婚後、財産分与の調停の中で、突如として別居期間中の婚姻費用を500万円以上支払うように求められ、依頼者としては非常に困惑をした事件でした。この婚姻費用以外にも婚姻期間中に貯金をした預金、生命保険、そして支給されることになる退職金などについても、財産分与の対象として請求を受けましたので、その金額は非常に大きな金額となり、ご自身では対応できないとのことで、御依頼を受け、調停手続きを正式に受任いたしました。

解決への流れ

調停及び審判手続についてこの件では、相手方から請求を受けた婚姻費用の金額が500万円程度と高額であったため、調停での話し合いが困難であり、結局審判になり、裁判所が判断することになりました。裁判所の判断は、相手方は、別居期間中、婚姻費用の請求ができるにも関わらず、明確にその請求を行わなかったこと、そのような場合、離婚成立後、財産分与の手続の中で婚姻費用を請求することは、依頼された方にとって、不意打ちとなることなどを理由に、婚姻費用に関する相手方の請求を一切認めませんでした。

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家本 誠 弁護士からのコメント

今回の財産分与の調停においては、依頼された方が、婚姻費用に関して、相手方の請求を全て排除することができたので、結論としては非常に助かり、満足した結果でした。仮に相手方の立場で考えると、請求すべき婚姻費用がある場合は、内容証明での請求や調停手続を申し立てるなど、婚姻費用の請求をできるだけ明確な手続で早期に行うことが必要であることが分かります。婚姻費用の請求を行う場合は、当事者双方の収入状況、資産状況、別居期間等の色々な事情が考慮された上で決められる可能性があります。また早期に手続を行わない場合、婚姻費用を本来であれば請求できる状況の方が、婚姻費用の請求が認められないという不利益を被る可能性がありますので、この点注意をすることが必要であると思います。