この事例の依頼主
70代 女性
相談前の状況
相談者は、夫に先立たれ、夫には先妻との間に子がありましたが、相談者との間には子どもはありませんでした。相談者には、親から相続した財産を中心に1億円を超える多額の遺産があり、自分の死後相続人(自身のきょうだい)間で揉めないように、また甥や姪にも直接一定の財産を渡したいので、きちんと遺言を遺しておきたいとのことで相談がありました。
解決への流れ
当職にて相談者の意向を聴き取り、遺言書の文面を作成した上で、公証役場の公証人と打合せをし、公証人に体調の優れない相談者の自宅まで来てもらって、当職及び事務員が証人となって公正証書遺言を作成しました。その後、数年が経過し、相談者が一部遺言の内容を変更したいということで自筆証書遺言で一部遺言内容を変更しました。残念ながら相談者が亡くなられ、遺言執行者に指定されていた当職にて相談者の遺言の内容どおりに遺言を執行し、生前の相談者の遺志を実現することができました。
相談者は、以前から当職に何度かご依頼があり、大変真面目な方で、自らの死後、財産のことで親族間で揉めないようにと大変に気を遣っておられ、遺言書の内容も当職と何度も相談したうえ、ようやく最終的に固まりました。公証人と打ち合わせながら、その内容を慎重に遺言書の内容に落とし込み、公正証書遺言を作成しましたが、その後も相談者の気持ちに揺れがあり、一部変更することとなりました。相談者の訃報に接した後、当職にて相談者の生前のご遺志を実現するため忠実に遺言執行業務を行いました。相談者の面影を思い浮かべながら、草場の陰で喜んでいただけただろうかと念じています。