犯罪・刑事事件の解決事例
#医療過誤

胃がんの見落としについての損害賠償請求の事例

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高田 英典 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人リーガルプロフェッション
所在地宮城県 仙台市青葉区

この事例の依頼主

80代以上 女性

相談前の状況

胃がんで母親を亡くした方からのご相談でした。ご相談者の母親は、地域の基幹病院の内科を長く定期受診していました。あるとき、腹痛を訴えて病院側に嘔気、胃の不快感を数度申告しましたが、医師からは特に問題ないと言われ、検査などは行われませんでした。症状が治まらないため、親族の勧めで他の病院を受診したところ、多発転移の胃癌が発見され、数カ月後に亡くなりました。遺族の方は、胃の症状を訴えていたのになぜかかりつけの病院が癌を発見できなかったのか納得ができない、がんの見落としがあったのではないかとしてご相談に見えられました。

解決への流れ

カルテを取り付けて医療調査を行なったところ、診療録上、死亡の4年前に胃カメラ検査において、胃内にポリープが複数みられ、ただ生検ができない状況であるため、1年後に胃カメラ検査にてフォローアップすることとされていました。しかし、以後検査がなされないまま放置されていたこと、ポリープが多発していた噴門部に癌がみられ、ポリープが癌化したと考えられることが判明しました。胃カメラ検査後の1年後のフォローは患者ではなく、当該病院に行われるべきであったことを主張して損害賠償請求を行いました。これに対して病院側が過失を認め、請求額全額の損害賠償金の支払を受けて解決することができました。

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高田 英典 弁護士からのコメント

医療調査の結果、癌の見落としについて病院側に請求をできる根拠が明確化しました。病院側から、胃カメラ検査後の1年後のフォローは患者自身に委ねられたというべき等の主張があるものと予想していましたが、病院側は示談交渉段階で過失を認めて支払意思を示し、早期解決となりました。