この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
雑居ビルでテナントとして店舗を経営しているオーナーからの相談。突然賃貸人から,ビルが老朽化し地震に耐えられないことが判明したとして賃貸借契約を解除する通知が届いたが,どうしたらよいかと相談に来られました。
解決への流れ
不動産登記簿及び現地を調べたところ,鉄筋コンクリート造りで,築30年しか経っておらず,必要な耐震工事をすればまだ十分利用可能な建物であることを確認。解除の原因がないことを相手方に対し内容証明郵便で回答しました。その後賃貸人側に代理人弁護士がつき,交渉の中で,地上げのための立退要求が実態であることが判明しました。依頼者に立退きについて意向を確認したところ,ある金額以上であれば立退いても構わないとのことでしたので,当職において合理的な方法により立退料を算定し,相手方と交渉し,高額の立退料を得て解決に至りました。
解除通知後すぐに相談に来ていただいたおかげで,法的判断や今後の方針について余裕をもって対応するころができました。地上げ要求に対しては,依頼者の意向が最優先ですので,弁護士との間で綿密な打ち合わせを要します。じっくり時間をかけて方針を決めるということが本件では最も重要な作業だったと思います。