この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
独身だと思っていた兄が死亡した。ところが戸籍を見たところ、兄はかつて中国人の女性と一度結婚して離婚しているが、その女性の子ども二人を養子にしていてそれがそのままになっていることが判明した。しかし、依頼者が知る限り兄が結婚生活を送っている様子を見たことはなく、子どもと一緒に生活していた事実もなかった。
解決への流れ
このままでは、依頼者が相続できないことになるため、兄に養子がいたのかどうかはっきりさせるべく、まずは近所の人に兄の生活の様子を確認したが、養子はもとより女性と一緒に生活していた事実も確認できなかった。戸籍に載っていた女性の外国人登録の内容を確認し、その子とされる二人の日本への入国の事実を入国管理局に照会して、入国の事実がないことを確認した。そこで養子縁組の実体がないことがはっきりしたため、養子縁組無効確認の裁判を起こすことにして、判決を貰い依頼者が相続できるようになった。
この事件は、裁判の内容自体は、難しいところは何もなかったが、訴状や判決の送達で苦労した。外国人登録に載っていた女性の中国での住所しか手掛かりがなかったために、そこの送達することにしたが、海外への送達には時間がかかり訴状を送達して裁判が始まるまでに半年、裁判自体は欠席で1回しかやらなかったが、そこから判決を送達し確定するまでやはり半年都合1年ほどの時間が掛かった。