この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
被疑者の母親より連絡があり,「息子がLINEで『痴漢で逮捕されそう』とメッセージを送ってきたので,何とかしてほしい。」と依頼がありました。
解決への流れ
痴漢で逮捕されそうというLINEメッセージを母親に送ってきた息子さんは,お母さまが私の事務所に来られた時には,既に逮捕されているようで,電話をしても通じない状態でした。その息子さんは,任意同行され,警察署にいる中,警察官のすきを見てLINEメッセージを送ったのでした。そのため,その息子さんがどこに勾留されているのかも分からない状態でしたので,私は,その息子さんが行きそうな場所を管轄する警察署に片っ端から電話をかけて,所在を突き止め,ただちにその警察署へ接見に行き,弁護活動を開始しました。接見ができたのは,夜の11時頃であり,翌日には勾留請求予定と聞きましたので,私は,徹夜で,意見書,被疑者の上申書,被疑者の母の上申書等を作成し,翌午前中,検察官と面談し,意見書等を提出した上で勾留請求しないように求めたところ,勾留請求されずに終わりました。この際,検察官から,「短時間の間にこれだけの資料を作られるとは」と驚かれた上,「被疑者は,いい弁護人に出会えたなぁと思いました。」とお褒めの言葉をいただきました。被疑者が釈放された後,私は,直ちに被害者と接触し,示談をまとめた結果,被疑者は,起訴猶予処分となり,刑罰を受けることはありませんでした。
被疑者弁護は,逮捕されてから勾留請求されるまでにどれだけの弁護活動ができるかによって大きな差が生じます。私は,逮捕された段階で連絡を受けた場合,大至急接見し,勾留手続までにできるだけの資料を用意し,勾留されることを阻止することを信条としています。また,勾留を阻止するにはどういった点を主張,立証すればよいかについては,元刑事裁判官ですので,十分熟知しております。本件もそういった活動が実を結んだものと考えています。