犯罪・刑事事件の解決事例
#給料・残業代請求

トラック運転手の残業代請求

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徳田 隆裕 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人金沢合同法律事務所
所在地石川県 金沢市

この事例の依頼主

50代 男性

相談前の状況

クライアントは,40代と50代の2人の長距離トラック運転手です。毎日のように石川県から関西や関東方面へトラックで荷物を運んでいたのですが,会社からは全く残業代が支払われていません。会社は,運行手当という名目で残業代を支払っていると主張していました。トラックには,デジタルタコグラフが搭載されており,デジタルタコグラフに,運転時間や休憩時間,荷積み荷降ろし時間が全て記録されているとのことでしたので,デジタルタコグラフの証拠保全の申立てを実施することになりました。

解決への流れ

証拠保全を実施してデジタルタコグラフのデータを入手し,残業代の計算を行った結果,深夜労働が多く,元金として,500万円と450万円も残業代が請求できそうでしたので,通常訴訟を提起しました。会社側は,運行手当で残業代が支払われていること,1か月単位の変形労働時間制の主張をしてきました。しかし,いわゆる固定残業代が認められるための要件である,時間外労働の時間数と残業手当の額が労働者に明示されておらず,運行手当を超えて残業が行われた場合の清算もないことから,固定残業代の主張は認められませんでした。また,会社は,1か月単位の変形労働時間制の要件を満たしておらず,過半数代表の労働協定の手続要件を満たしておらず,1か月単位の変形労働時間制の主張も認められませんでした。

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徳田 隆裕 弁護士からのコメント

証拠保全で,デジタルタコグラフのデータを入手できたので,労働時間の立証が容易にできたこと,会社側が残業代について杜撰な対策をしていたことから,訴訟では終始優位に進めることができ,最終的に390万円と435万円で和解が成立しました。多くの残業代の支払うを受けることができてクライアントに満足していただきました。トラック業界では,残業代が支払われていないようですが,デジタルタコグラフのデータ等の客観的な証拠を入手できれば,十分に残業代を請求できます。