この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
被疑者の奥様より夫が強制わいせつ罪で逮捕されたので,釈放に向けて刑事弁護してほしい旨の電話をいただきました。午後8時頃の連絡でしたが,午後11時頃に依頼人宅近くのファミレスで奥様とお会いし,刑事弁護の委任を正式に受けました。
解決への流れ
依頼を受けるや,直ちに深夜の警察署の留置施設へ赴き,被疑者と接見し,内容を詳細に記録するとともに,取調べ等への対処法を教示しました。その後,直ちに事務所に戻り,徹夜で,検察官向けと裁判官向けの意見書を作成しただけでなく,被疑者の上申書,被疑者の妻,被疑者の近所に住む兄弟の上申書も作成しました。そして,日が昇った頃,被疑者,被疑者の妻,被疑者の兄弟に作成した上申書に署名押印してもらい,その足で検察庁へ行き,検察官と面談の上,意見書等を提出し,さらに裁判所へも意見書等を提出し,面談した結果,勾留請求が却下されるに至りました。さらに,身柄釈放後,被害者に連絡し,示談交渉の結果,釈放から2週間後には示談が成立し,告訴を取り下げてもらった結果,被疑者は直ちに不起訴処分となりました。
犯罪白書(平成27年)によると強制わいせつ罪の勾留請求が却下される割合は,約1.4%です。強制わいせつ罪は,比較的重い罪ですので,勾留が認められる率が高いのは当然と言えるでしょう。しかしながら,私は,元刑事裁判官ですので,どういった主張,立証をすれば,勾留されなくなるかについて熟知しており,そういったポイントを押さえた主張,立証の結果,却下・釈放につながったのです。また,示談についても交渉には一定のテクニックが必要であり,そういったテクニックを駆使すれば,早期に依頼人にとって最善の示談が可能であり,本件は,そういった能力が十分に発揮された結果と自負しております