この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
先日,父が骨折し入院してしまいました。幸い命に別状はないのですが,腕が上げられないので字を書くことができず,退院の目処も立っていない状態です。本人も今回の件により自分が亡くなった後のことが心配になったようで遺言書を作成したいと言っているのですが,外出ができず,また,字も書けない状態ですので困っています。
解決への流れ
まず,弁護士が病院に伺い,何度かお父様と面談を行い,遺言書の内容を確定しました。その後,公証人に病院への出張を依頼し,遺言書作成当日は,病院にて,公証人が遺言者の意思を確認し,公証人が遺言者に代わりに署名押印することで,無事,公正証書遺言を作成することができました。
亡くなったあとの紛争を回避するためには,弁護士に依頼し遺言内容を精査した上で,公正証書遺言を作成することをお勧めします。本件のように,遺言者本人が外出できない場合や字が書けない場合でも,弁護士が訪問して打ち合わせを行った上で,公証人に出張を依頼して,病院や施設内で遺言書を作成することが可能です。なお,出張の場合,基本的な公正証書作成費用のほかに,日当(2万円/4時間以内は1万円)や旅費,病床執務手数料(遺言者が病気で入院している場合/1.5倍)が加算されますが,遺産が3000万円程度であれば,総額で5万円~10万円程度となります(公正証書作成費用は,遺産の額や相続人の人数により決まります)。また,本件遺言者は字が書けない方でしたが,そのほかにも,話すことができない場合や,耳が聞こえない場合でも遺言書の作成は可能です。事案に合わせて適切な手続選択を行いますので,まずはお気軽にお問い合わせください。