6578.jpg
名物「一尺エビフライ」注文したら…客「30センチじゃなくて21センチだった」 店の見解は?
2023年10月24日 11時01分
#返金

注文したメニューと実際に運ばれてきた料理が違う。誰でもこのような出来事を一度は体験したことがあるのではないだろうか。

洋食店で「エビフライ」を頼んだという人から、弁護士ドットコムニュースのLINEに体験談が寄せられた。

「一尺エビフライ」を注文したところ、1尺(約30センチ)に足らないサイズのものが提供されたという。減額や作り直しを求めることができるのだろうか。店に考えを聞いた。

注文したメニューと実際に運ばれてきた料理が違う。誰でもこのような出来事を一度は体験したことがあるのではないだろうか。

洋食店で「エビフライ」を頼んだという人から、弁護士ドットコムニュースのLINEに体験談が寄せられた。

「一尺エビフライ」を注文したところ、1尺(約30センチ)に足らないサイズのものが提供されたという。減額や作り直しを求めることができるのだろうか。店に考えを聞いた。

⚫︎お昼に入った洋食店のエビフライが…

編集部に連絡をくれたAさんは昨年、ランチタイムに入った洋食店でメニューに記載のあった『一尺エビフライ』という名前の食べ物を注文したという。

約30センチ(=1尺)のエビフライを期待していたが、「出てきたのは21センチほど(=7寸)」だったそうだ。

「モヤモヤしましたが、そのまま会計しました。注文と商品が違うと主張して、注文の取り消し、または料理は提供してもらった上で減額を要求することはできたのでしょうか?」(Aさん)

指摘のあった洋食店は、地元メディアでも取り上げられる愛知県名古屋市の人気店「広小路キッチンマツヤ」だ。相談内容について聞いてみると、代表から丁寧な回答が返ってきた。

——お店では「一尺エビフライ」を注文して、1尺(約30センチ)より小さい21センチほどのエビフライが提供されることはありますか

悪意をもって提供することは決してありませんが、以下の理由で提供してしまったものと思われます。

この料理は通常サイズのエビ5尾を用いて、弊社独自の技術(以前は製法特許を取得しておりました)で繋げたものです。「結着エビ」と呼ばれるもので、この技法自体は古くからあるものです。

これを1つずつ手作りしており、その際に尾びれまでを含む全長で一尺とするように繋げるのですが、まれに長さが不足していることがあり、これをチェックして省く過程で漏れが生じたものと考えられます。

さらに申せば、長さに多少の不足が生じても用いるエビの数は変わらないことから、名づけておきながら長さの部分において怠りがあった面は否めず、反省しております。

——減額や注文の取り消しには応じてくれるものでしょうか

この料理に限らず、その場でご指摘いただければ新たに調理・提供し直しますし、減額や取り消しを希望された場合にも対応しております。後々になってのご指摘で返金を求められるようでしたら、可能な限り対応致します。

⚫︎法的に「注文取り消しできる」とはいえ…

メニューと実際の料理が異なっていた場合、店はどこまで客のもとめに応じる必要があるのだろうか。

自身も飲食店を手がけ、飲食業界のトラブルにくわしい石崎冬貴弁護士は次のように指摘する。

「商品名と実態がかけ離れている場合、客側としては、法律上、注文を取り消したり、減額を求めることも可能です。

繰り返されるようであれば、景品表示法違反で行政処分を受ける可能性もあります。しかし、現実問題として、飲食店で一品一品まったく同じ形状の料理を作ることはできませんし、客側もそれをわかっているはずです。

電子機器や家具は寸法通りでなければ大変ですが、『一尺エビフライ』は『ちょうど一尺のエビフライ』というより、『一尺くらい大きなエビフライ』であると認識するのが普通でしょう。

もちろん、今回のご相談のように、『一尺エビフライ』が20センチであれば、客側が納得できない気持ちもわかります。

店側は、メニューから想像するイメージに沿う料理を作るように努めるべきですし、客側はもし実物が違ったと思うのであれば、どこがどうイメージと違ったのか、具体的に指摘して説明すべきでしょう。特に、証明が困難になるので、事後的な主張などは避けるべきです」(石崎弁護士)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る